夢の海

――すべてうつろうその果てに――

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

春を告げる

0712_0164.jpg




春を告げるのはうぐいす。
春の初めは下手な鳴き声だったのに、すっかり上手になった。

春を告げるのはスターフラワー。
公園に、家々の庭に、こぼれた路傍に、スプリングスターフラワー。



春を告げる/花の春

スポンサーサイト

PageTop

一面に並んでいる

0716_0388.jpg




一面に並んでいる。
一斉に咲いた花が。

ぎっしりと並んでいる。
ぎっしりと植えられた花壇に。



一面に並んでいる/花の春

PageTop

静かな春

0716_0016.jpg




10年前の忙しかった春を忘れないようにしよう、と時折自分に言い聞かせる。
20年前の忙しかった春を思い出すようにしよう、と時折自分に言い聞かせる。

その頃のわたしは春が一番忙しい仕事に就いていたから――
その頃のわたしは何が咲こうが、何が萌えようが気づかなかったから――
その頃のわたしはとにかく毎日疲れきっている春だったから――

たまに気づく景色や香りがハッと胸を打った。
ふと気づく暖かい日差しや優しい風が新鮮に感じられた。

今は、春を常に感じていられるけれど、
その分きっと感じる強さが減っているから。




静かな春/花の春

PageTop

スズラン

0720_0030.jpg




小さな鐘が並んでいる。スズラン。

小さな幸せが並んでいる。スズラン。

春の鐘を鳴らす。スズラン。



スズラン/花の春

PageTop

春の白

0712_0045.jpg




春先は風が強いのに、春先は柔らかい花びらの花が多い。
ひらひらと風にさらされ、ちぎれそうになるけれどちぎれない。

春先はだんだん光が白くなり、春先は花も白い花が咲く。
強い白光に照らされて、光って輝いて白い花びらが咲く。



春の白/花の春

PageTop

春の目覚め

0719_0601.jpg




花が咲く。庭にも。空き地にも。道端にも。線路の脇にも。

新しい春が来て、新しい暖かさが広がって、新しい芽吹きを迎える。

鳥が来る。春の鳥が南から飛んで来る。
そして鳥が去る。冬の鳥が北に飛んでゆく。

虫たちが誘い出される。
蛙も獣も誘い出される。

埋もれていた種が目覚める。
産み付けられていた卵が目覚める。

否応なくわたしたちも、体の奥に新しいサイクルが始まったのを感じる。



春の目覚め/花の春

PageTop

春の願い

0719_0325.jpg




この美しい春が守られるようにと祈る。

もしあなたが、小さいけれど明るく華やかな春の花を、林の中で見たら――
もしわたしが、名を知らぬ花がひっそりと、だが一面に咲くのを見たら――
木洩れ日がすっかりまぶしい春の林の中で、白い花をあちこちに見つけたら――

きっとこの美しい春が守られるようにと祈るだろう。


春の願い/花の春

PageTop

さもありなん

Coffee


仕事中。派遣されていった先――

ミーティングをしていて、何かの企画の話らしいのが聞こえてくる。

「なんで37から41くらいまでの人に限定したいかっていうとね、50代の人が来ちゃうと、体験談とか語り始めちゃって、意見とか聞き入れないからなの。健康のことなら医者とか、料理のことなら三ツ星シェフとか、そういう人を呼んでこないとこっちの話を聞いてもらえないのよ」

“さもありなん”という言葉が、ふっと頭に浮かんできた。

自分も最近、ちょっとヤバイなと思っていたのだった。

ついつい人の話に自分の体験談で答えてしまう。そういうことがポロポロと出てきた。特に若い人相手のときだ。
そりゃそうだ、と自分でも思う。年上の人にそんなことをしても、特殊な体験でない限り、向こうの体験談のほうが豊富に決まっている。

ミーティングで向かい合ってその話を聞いていた役職が上の女性も、50代になっていた。
「確かにねぇ~」とうなずいているが、その人自身、何の話でも「自分の体験談へのキュー」だというタイプの人だった。

先日も誰かが子供のことを少し話したら、滔滔と自分の子育て論を語り始めた。もうすっかり成人の一人っ子の幼い頃のこと。そこから導き出される持論。

その子供のことを話した人は、別の日、自分より若いアルバイトさんを相手に子供の話を滔滔と語っていた。あれやこれやのエピソード、自分の子育て。
アルバイトさんはその人より年下だったから、上手に笑いながら面白そうに聞いていた。たとえ年が下でなくたって、アルバイトという立場なら、持論を語るわけにはいかないだろうが。

電車の中でも年配の女性同士の会話を聞いていると、やっぱり体験談が多くなる。
何の話をしても、「私はこうだったわ」「私はね、こうだったのよ」とお互いに自分の体験を語り合うことになる。

わたしも若い人の話に対して、なんでも体験談を語ることで答えることは慎もうと思った。だってそんな人、話していてもつまらない。
でもやってしまうんだろうな、とも思う。

逆に、もっと年代があがって、お互いに体験談ばかりになったら、できるだけ言ったほうがいいという気がする。
遠慮したって自分がひたすら聞き役になるだけだ。
その年代になったら、話なんて「面白い」「つまらない」ではないのだ、きっと。とにかく言いたいことを言ってスッキリするのが肝要なのだ。相手が面白いと思って聞いてくれているかどうかなんて、関係ない。「自分が話したかどうか」だけが大切。

そこで遠慮しているので、全然自分は発散できなくて、家族にやたらと発散して疎まれている人を知っている。

うまく使い分けていかなくては、と思った。
しかしその年代になったときまで、この心構えを持ち続けていられるだろうか――


PageTop

どこまでも

1322_2_300.jpg




どこまでも広がっているように見える。
ここにいると。

空はどこまでも続いているかのように、
海はどこまでも果てしがないかのように。
運命はどこまでも拓けているかのように。

すべてが無限に思える。
ここにいると。



どこまでも/みはるかす城

PageTop

世界の王

1322_2_289.jpg




あそこから下の世界を眺めたら、
世界の王になれるかもしれないね。

心の中では世界の王になれるかもしれない。



世界の王/みはるかす城

PageTop

たたずんで

1322_2_269.jpg




急な斜面を登って、壁に手をかける。

かすかに海が見える。

森が広がっている。

雲が天蓋のように広がっている。

かすかに海が広がっている。



たたずんで/みはるかす城

PageTop

千尋の谷

1322_2_241.jpg




引き込まれそうになる千尋の谷。

吸い込まれていきそうな深い谷。

海の深淵と同じくらい底知れぬ、
そう思える未踏の谷。



千尋の谷/みはるかす城

PageTop

神の視点

1322_2_238.jpg




まるで神になったような気持ちになれるに違いない。
この地で暮らすことができたなら。

毎朝をこの高みで目覚め、
毎日をこの高みで過ごしていたならば。

まるですべてが掌中にあると思えるに違いない。




神の視点/みはるかす城

PageTop

空に近い城

1322_748.jpg


まるで高い山の牧場のように、
青い空と白い雲が近い場所。

その先は急な断崖であるかのように、
向こう側が見えない景色。


1322_776.jpg


壁に手をかけると、海が見える。
町を見下ろす。彼方まで見える。

誰もここには手を出せない。
誰もここには届かない。



空に近い城/みはるかす城

PageTop

高い城

1322_708.jpg



まるで天にそびえる城のように、
下界が広がる城の外。

町が広がり、海が広がり、
空に溶け込む高い城。




高い城/みはるかす城

PageTop

高みの城

1322_675.jpg



高みに立つ城は、すべてを見はすかす。

近寄ってくる者がいれば、討つ。
しかけてくる者を見つければ、討てる。

高みに立つ城にいれば、すべてが分かる。
分かると思えることだろう。



高みの城/みはるかす城

PageTop

電車の中で

Coffee


ちょっとした日帰り観光地への週末の朝の電車は、とても賑やか。
ましてそれが、若者ではなくシニアやミドル世代にウケる場所ときては、なおさら。

9割以上が観光に行く人。
その9割以上の観光者のうち、9割以上がグループ客。2人だったり、3人だったり、4人だったり。
女性同士もある。男性同士もいる。女性と男性の入り混じったグループもある。夫婦かなと思う2人もいる。

通勤電車の満員ラッシュがどんなにぎゅうづめでも、こんなに賑やかにはならない。腕や肩が接していても、知り合いではないからだ。

電車は4人がけ席。話に花も咲こうってもの。

あちこちで繰り広げられる会話。
・・・・・・「うちの主人なんて、ホントにあたしの腕の中で亡くなったでしょう?」
・・・・・・「途中で切り離すって言ってたわよ。この電車。**行きはあっちに移らないといけないんじゃない?」
・・・・・・「この辺まで来るの、久しぶりですよね。2年ぶりくらいじゃないですか?」

すぐ近くの席に座っていたシニア世代と言っていいだろう3人の女性たち。
勝手な印象ながら、一見したところその3人の中ではもっともおとなしそうな女性が言う。
「私、最近全然眠れなくて。6時間くらいするとすぐ目が覚めちゃって」

すると猛烈な勢いでほかの2人がたたみかけた。
「私も全然眠れないわよ」
「私だって眠れないわよ。私なんて4時間も寝られないわ!」
「6時間なんていいほうよ」
「そうよ。6時間なんて全然寝られないわよ」

寝られないわね、そうだわ寝られないわ、こんなときに起きちゃうのよね、こういときも目が覚めちゃうのよ、とうなずきあう2人。
最初の女性が、ただ「私は6時間もすると目が覚めちゃうのよ」と言いたかったのか、話に続きがあったのか、もう分からなかった。
会話はすっかり取られてしまったからだ。

“ことほどさように”

急に頭にその言葉が浮かんだ。しかつめらしい響きで。

ことほどさように、年を経た人には愚痴なんてものは言えなくなる。
年が45ほどにもなっていれば、誰でも苦労のひとつやふたつやみっつやよっつ、今背負っているか、経験済みだ。
50、60、70ともなれば、ひとつやふたつどころではない。

「頼りにしている姉が癌だと分かって、この一年はつらかった――」とこぼしたって、
「私も兄が癌よ」
「私なんて自分が癌になったし、兄も癌よ」
「だからなんなの」――とまあ、これは口に出しては言われないが。

こぼしたことを申し訳なく感じてすごすご引き下がるしかない。

会話の中身は違っても、常にどこかで繰り返されている。

「私、最近、頭痛がよくあって――」
「私だってあるわよ」
「年なんだからそういうもんよ」
「誰だってあるわよ」
「私の頭痛なんて、立っていられないくらいよ」

そこでめげずに、「あら私の頭痛なんて、もっとひどいのよ。そりゃもうひどくて、立っていられないどころか吐いちゃうわよ」と押していけばいいのだけれど。

どうも自分にはできそうもない。

気持を持て余しても、話す相手が見つからないので、悶々とする一方である。


PageTop

城砦

城砦



城砦、広大な――

城と宮廷をそっくり収めた石壁。
王と貴族をそっくり収めた城壁。

誰も空を飛べなかった時代には、
鳥しか全体を知ることができなかった天空の城。



城砦/人の造りしもの

PageTop

城門

城門



城門、そびえたつ――

天地あめつちの中心だと宣言するかのように。

きっとかつては宣言していた。
本当は違うかもしれないけど、
戦いに負けたかもしれないけど、
こここそ、地上に在りて最上の城、と、
きっとかつては宣言していた。



城門/人の造りしもの

PageTop

壁



壁、巨大な――

王を守るため、城を守るため、
国を守るため造られた。

すべての災禍を締め出し、
すべての善根を守ろうとした。



壁/人の造りしもの

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。