夢の海

――すべてうつろうその果てに――

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はるかな国 遠い昔 より

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はるかな国 遠い昔 より

ハドソン

(『はるかな国 遠い昔』最終行)

・・・・・・・・・・・・よく世間の人が、好きで好きでたまらぬほど、この世の生活を楽しいとも、おもしろいとも思わないとか、自若としてこの世の生活の終わりに臨むことができるとか、言うのを聞くとき、私は、こう思わずにはいられません。そんな人たちは、本当に生きていないか、それほどつまらぬものと考えているこの世界を、冴えた目で見てはいないかだ、この世界にあるものを、なんにも―――草の葉一枚だって、見てはいないのだ、と。ただ私は、私の場合が、例外的なものであること、目に見えるこの現実世界は、世の常の人びとにまして、私にはもっと美しく、もっと興味の多いものに見えること、自然との交わりにおいて、私が経験した喜びは、あとかたもなくかき消え、ただ、はかない幸福の思い出だけを残し、現在の苦痛を、いっそう激しくさせるものではないこと、をよく知っています。自然との交わりがもたらす幸福は、決して失われるのではなく、私がお話しした、あの機能のおかげで、私の心に及ぼす力を、だんだんと増し加え、再び私のものとなるのでした。だから、長い長い間、自然との交わりを断たれて、ロンドンに住み、貧しく、友もなく、病気がちの日々を送らねばならなかった私の最悪の時代でさえ、なお、生きていないよりは、生きているほうが、ずっとずっと、はるかによいと、私は、いつも感じることができたのです。



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