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夢の海

――すべてうつろうその果てに――

心の変化

いつか読みたいと思いながら、買ったままになっている本が何冊もあります。

でもそんなにいつまでも寝かせておいても、いったいいつになったら読めるやら分からない、と思い、できれば読もうと思っています。
退職してからまとめて読む気なのか、いったいそれまでわたしは元気にしていられるのだろうか、とふと思ったのです。

なかなか忙しくて読む心のゆとりを見つけられませんでしたが、ある連休に「これとこれを読もう」と取り出しておきました。

ですが、読み始めて衝撃を受けました。

そのジャンルの本は、10年前はとても楽しく読めたものでした。
でも今は、あのときほど楽しくなかったのです。

もっと忙しくない、心にゆとりのあるときでないと駄目ということだったのでしょうか。
それなら退職後に、晴耕雨読の生活でもしながら読んだら楽しいかもしれません。
それとも、若いからこそ楽しいと思えたのでしょうか。
先が短くなってくると楽しめないものなら、退職後にはさらに楽しめないものになっているでしょう。

なかなかできないことなのですが、「読みたい」と思う旬のうちに読むのが一番です。

暇になったら、生活にゆとりができたら、と考えることはよくあります。
でも実際にそのときが来たら、楽しめないかもしれません。
「いつか旅行したい」と思っていても、年をとってから行こうとすると体が思うように動かず楽しくない、という戒めを聞くことがあります。
でも本は、老眼鏡をかけるくらいの不便で済むと思っていました。
読みたくなくなるというのは、あまり実感していなかったのです。

何事も、長すぎる春はよくないものなのだと知りました。

旅行は先立つものと時間がないと行けませんが、せめて本を読むくらいのことはしていきたいと痛感しました。

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