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夢の海

――すべてうつろうその果てに――

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闇に光を より

闇に光を より

ヘレン・ケラー

(『Midstream』 1929)



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 さてこうして私が戸外生活が好きだというと、びっくりされるかたもあります。しかし神様はその創造物の多くのものを凸字版にしていてくださるのをごぞんじでしょうか。大地の美しい声は聴覚や視覚によらなくとも聞くことができるのです。私は森の中にいる時、木の葉の中をがさがさといわせてはっている小さな動物を捕らえることが好きであります。
  私は苔や、じめじめいsた植物の香が漂う小暗い路や、喬木(きょうぼく)や草むらが私のからだに触れる山路や深い谷などを歩むのが好きであります。
  また私は小さな橋の上に立って、脚下にヤナギバエを泳がせながら流れる小川を感じるのも好きであります。
  私は倒れた朽木の上にすわって、その木に巣くっている内気な小動物たちが、安心して私の足の指に上りはじめ、付近の小滝が私の顔に飛沫(しぶき)を散らすのを感じるほど、長い間じっとしているのが好きであります。からだを不動のまま耳を澄ますと、限りなくいろいろの音が聞こえてくるものです―――葉の立てる音、草の音、鳥が止まると痛いといってかすかに泣く小枝の叫び、昆虫の翅(はね)がさっと触れると一揺れする草ずれの音、アザミの銀色のそよぎ、これらの物音は聞こえても、あたりはなおも森閑としているのであります。
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